Faker:League of Legendsにおける12年間の王座

Apr 8, 2025
T1, Faker
Faker:League of Legendsにおける12年間の王座

伝説の始まり:12年間の軌跡

2025年4月6日、Lee "Faker" Sang-hyeok(イ・サンヒョク)選手はプロゲーマーとしてのデビューから12周年を迎えました。2013年4月6日、当時16歳だった彼がSK Telecom T1 2(現T1)でLCKにデビューした日から、eスポーツの歴史は大きく変わりました。

「不死身の大魔王(The Unkillable Demon King)」の異名を持つFaker選手は、12年という長きにわたりLeague of Legendsの最前線で活躍し続けています。一般的にeスポーツ選手のキャリアは短いとされる中、28歳になった今もなお世界最高峰の実力を維持し続けている彼の存在は、まさに奇跡と言えるでしょう。

比類なき成功:5度の世界制覇

Faker選手の12年間のキャリアは、数々の偉業で彩られています。最も注目すべきは、League of Legends World Championship(通称Worlds)での5度の優勝(2013年、2015年、2016年、2023年、2024年)です。これは他の選手が到底及ばない記録であり、彼の卓越した実力を証明しています。

さらに、LCK(韓国リーグ)での10回の優勝、Mid-Season Invitational(MSI)での2回の優勝など、その功績は枚挙にいとまがありません。2016年にはWorldsとMSIのMVPを獲得し、わずか4年目にして個人キャリアの頂点に立ちました。2017年と2023年には「The Game Awards」で年間最優秀選手賞も受賞し、League of Legendsだけでなく、eスポーツ全体におけるグローバルスーパースターとしての地位を確立しています。

관련 이미지

殿堂入りという栄誉:Hall of Legends

Faker選手の偉大な功績は、2024年5月に設立された「Hall of Legends」の初代殿堂入り選手として選出されたことでさらに認められました。これはRiot Gamesが「リーグ・オブ・レジェンド」のゲームや競技シーン、コミュニティーなどに多大な影響を与え続けた選手を表彰するために設立したものです。

ライアットゲームズeスポーツ部門代表のJohn Needham氏は「Faker選手はリーグ・オブ・レジェンドとそのeスポーツに多大な影響を与えた人物であり、真の意味でその歴史を象徴する存在です。彼の名はLoL Esportsの頂点と同義であり、Hall of Legendsの最初の殿堂入り選手として、彼以上にふさわしい人物は存在しませんでした」とコメントしています。

この栄誉を記念して、2024年6月15日には「Hall of Legends:Faker」というドキュメンタリー映像も公開され、ゲーム内でも特別なイベントが開催されました。

試練と復活:真のチャンピオンの姿

Faker選手のキャリアは常に順風満帆だったわけではありません。2017年のWorlds決勝でSamsung Galaxyに敗れた後、彼とT1は厳しい時期を迎えます。2018年には韓国で開催されたWorldsに出場することさえできず、多くの批評家が彼の時代の終わりを予測しました。

しかし、Faker選手はこの逆境を乗り越え、さらに強くなって戻ってきました。彼自身、この困難な時期について「できるだけ多くの本を読み、どうしたら改善できるか、どうしたらもっとうまくできるかを考えようとしました」と振り返っています。「あの厳しい時期があったからこそ、新しい価値観が生まれました。2023年からは、自分の幸福とパフォーマンスに相関関係があることがわかったので、ゲームをもっと楽しむ方法、ゲームを通じてもっと幸せを感じる方法に焦点を当てるようにしました」

この新たな姿勢は実を結び、2023年には7年ぶりにWorldsでの優勝を果たし、2024年にはそのタイトルを防衛することに成功しました。

12周年の記念日:新たな挑戦

2025年4月6日、Faker選手のデビュー12周年の記念すべき日に、T1はGen.Gとの重要な試合に臨みました。この日は多くの意味で特別な一戦となりました。名門チーム同士のライバル対決であることに加え、Faker選手の記念日という側面からも全世界が注目する対戦カードとなったのです。

試合は激闘の末、Gen.Gが劇的な逆転勝利を収めました。特に最終戦となったGame3では、Gen.GのChovy選手が1対4という絶望的な状況から奇跡的な逆転を見せ、Faker選手の記念日を勝利で飾ることはできませんでした。

しかし、この試合はLCK史上に残る名勝負となり、記録の面でも多くの節目が刻まれました。Gen.GのKiin選手がLCKのTOPレーナーとして歴代最多となる400勝を達成し、Ruler選手はLCKのADCとして歴代3位となる600試合出場を記録。T1側でもOner選手が通算2500アシストという記録を達成しました。

情熱と向上心:長寿の秘訣

Faker選手がこれほど長くトップレベルで活躍し続けられる理由は何でしょうか。2025年2月、ゲーミングデバイスメーカー「Razer」とのパートナーシップ10周年を祝うためにシンガポールを訪れた際のインタビューで、彼はその秘訣を明かしています。

「プロゲーマーとして、一番大切なのは情熱だと信じています。何をするにしても興味があり、うまくやりたいのであれば、何が足りないのかを考え、そのギャップを埋める方法を学ぼうとします」

また、引退については「引退の計画はなく、考えたこともありません。プロとして長く活躍するためには情熱を燃やし続け、向上心を持ち続けることが重要なので、反射神経については心配していない」と語っています。

不朽の遺産:eスポーツ界の王

12年という長きにわたり、Faker選手はLeague of Legendsだけでなく、eスポーツ全体の発展に多大な貢献をしてきました。彼の存在は、eスポーツが正当なキャリアとして認識されるうえで重要な役割を果たし、数百万人のファンに影響を与えてきました。

中国のITメディア「京華西遊王」は「プレーだけが優れているわけではない。競技場の外でも人間的な魅力とカリスマ、謙遜な姿勢と節制された態度で、誰でも丁寧に接する。世界的に愛されている理由」と彼の人間性を称えています。

Faker選手の12年間のキャリアは、単なるゲームの成功物語を超えて、情熱、献身、そして逆境からの復活という普遍的な価値を体現しています。彼の伝説は今後も続き、新たな世代のプレイヤーたちに影響を与え続けることでしょう。

Faker
T1
League of Legends
12周年
eスポーツ
世界選手権
LCK
イ・サンヒョク