佐野海舟トッテナム移籍説浮上!過去の問題を乗り越えプレミア行きなるか?

トッテナムの日本人選手獲得戦略が加速中
皆さんはご存知でしたか?トッテナム・ホットスパーが日本人選手の獲得に本格的に乗り出していることを。欧州移籍市場の専門記者ベン・ジェイコブス氏が『スパーズ・リレイテッド』のYouTubeチャンネルに出演し、トッテナムがドイツ・ブンデスリーガのマインツ所属MF佐野海舟に関心を示していることを明かしました。
ジェイコブス記者によると「ウィルフレッド・エンディディがトッテナムからオファーを受けたが、彼らが継続して彼を望んでいるとは思えない。彼らはウォルヴァーハンプトンのジョアン・ゴメスに真剣な関心を寄せている」と説明。そして「トッテナムがファビオ・パラティチ・ディレクター時代から継続して注目している選手が佐野海舟だ」と語りました。これは佐野が鹿島アントラーズ時代からトッテナムのスカウト網に入っていたことを意味します。
マインツでの圧倒的なパフォーマンス

2000年生まれで現在全盛期を迎えている佐野海舟は、2024年夏にJ1リーグの鹿島アントラーズからマインツに移籍し、韓国代表のイ・ジェソンのチームメイトとなりました。マインツでの佐野のパフォーマンスは目を見張るものがあります。ブンデスリーガで34試合に出場し、3044分という豊富な出場時間を記録、完全に主力選手としての地位を確立しています。
特筆すべきは彼の運動量です。ユーロフットが5月21日に発表した統計によると、「佐野は今シーズンのブンデスリーガで最も多く走った選手で、総走行距離は393.7kmに達した」とのことです。また、マインツ地元紙『アルゲマイネ・ツァイトゥング』は佐野について「無駄な走りが少なくなり、より効果的にデュエルに勝ちボールを奪取できるようになっている。その後も、より広い視野を持って、より良いプレーに繋げている」と高く評価しています。
過去の問題と代表復帰への道のり
しかし、佐野海舟の道のりは決して平坦ではありませんでした。『スポーツ報知』の報道によると、佐野は2023年夏に東京都内で30代女性に対する不同意性交容疑で逮捕され、その後8月29日に釈放されました。この事件は結果的に不起訴処分となりましたが、佐野のキャリアに大きな影響を与えました。
この問題により、佐野は2024年3月のA代表戦では招集されませんでした。しかし、2025年6月のワールドカップアジア最終予選では、森保一監督率いる日本代表に復帰することとなりました。日本サッカー協会の山本昌邦理事は「協会は差別、暴力、いじめを容認しない」としながらも、佐野の招集理由について「相手方と話し合い謝罪したこと、佐野が深く後悔していること、事件が不起訴で終結したこと」を挙げています。
森保監督が語る復帰の理由
森保一監督は佐野海舟の代表復帰について詳細な説明を行いました。「以前から見ていたが、直接連絡を取り、彼が反省していることを感じた」と語った森保監督。「現在ドイツでプレーし、真剣に試合に臨み、社会に貢献したいという強い意志を持ってプレーしているため、代表チームに戻り社会に貢献し、日本代表の一員としてプレーすることが良いと判断した」と説明しました。
さらに森保監督は「会議を招集するか悩み、協会関係者と多くの議論を重ねた。一シーズンを見てから決心した」と明かし、「個人的には過ちを犯したと言えるかもしれないが、家族として、コーチとして、選手として仲間を思うとき、過ちを犯した選手に社会や サッカー界で再挑戦の機会を与えることが良いと判断した」と述べています。佐野は代表復帰前に公式記者会見で謝罪し、6月のオーストラリア戦、インドネシア戦でともに先発出場を果たしました。
トッテナムが佐野に注目する戦術的理由
トッテナムが佐野海舟に関心を示す理由は明確です。現在トッテナムの中盤にはロドリゴ・ベンタンクール、イヴ・ビスマがいますが、ローテーション要員として佐野のような守備的ミッドフィールダーを求めています。佐野のプレースタイルについて、英メディア『トークスポーツ』は「闘争心豊かな6番(ボランチ)で、ライン間を動き回り、空中戦に勝つ能力がある。モイセス・カイセドのように非常に効果的なパスを出す選手でもあり、攻撃面では過小評価されている」と評価しています。
ドイツメディアからも「ブンデスリーガ最高の守備的MFの一人」と称される佐野は、マインツでナディエム・アミリとのコンビで中盤を支えています。チーム3位の出場時間を記録し、走行距離合計101.4km、デュエル勝利数99本とリーグ7位の数値を残すなど、統計面でも優秀な成績を収めています。もしトッテナムに移籍すれば、高井幸大と共に日本人選手2人がスパーズでプレーすることになり、ソン・フンミンとも同じピッチに立つ可能性があります。
日本サッカー界とファンの反応
佐野海舟の代表復帰とトッテナム移籍説には、日本国内で様々な反応が見られます。一部のファンは彼のプレー面での成長と貢献を評価する一方で、過去の問題を懸念する声も根強く残っています。特にSNS上では「不起訴=無罪ではない」という指摘もあり、賛否が分かれている状況です。
しかし、鹿島アントラーズOBからは「過小評価されている」との擁護の声も上がっています。サッカー専門メディアでは「佐野の復帰により日本代表の選手層が厚くなる」「ドイツでの成長ぶりは目を見張るものがある」といった肯定的な評価も多く見られます。日本サッカー協会としても、しっかりとした検討を経て代表復帰を決めたことから、今後の活躍に期待が寄せられています。
プレミアリーグ移籍の可能性と今後の展望
トッテナムは佐野海舟以外にも、ボルシア・メンヒェングラットバッハの伊藤洋輝、バイエルン・ミュンヘンの板倉滉など、複数の日本人選手に関心を示しており、日本人選手の「大量観察」とも言える状況が続いています。これは単なる偶然ではなく、アジア市場を意識した戦略的な動きと見られています。
佐野がパラティチ・ディレクター時代から注目されていたということは、長期的なスカウティングの結果であり、トッテナムの本気度がうかがえます。鹿島時代の2023、2024シーズンで58試合を消化した実績と、マインツでの順調な適応ぶりを考慮すると、プレミアリーグでも通用する可能性は十分にあります。
川崎フロンターレから高井幸大の獲得を正式発表したトッテナムにとって、佐野の獲得が実現すれば日本人選手のネットワーク構築がさらに進むことになります。ソン・フンミンという韓国のスーパースターがいるクラブで、日本人選手がどのような活躍を見せるのか、今後の動向が注目されます。