4年ぶりのAマッチゴール！イ・ドンギョンの劇的復活が韓国サッカー界を沸かせた理由

1489日間の沈黙を破った魔法の左足

2025年7月7日、龍仁ミルスタジアムで開催された東アジアサッカー連盟E-1チャンピオンシップの開幕戦。韓国代表のイ・ドンギョン（28・キムチョン・サンム）が放った左足のカーブシュートは、まさに芸術的な軌道を描いて中国のゴールネットを揺らした。この瞬間、1489日間続いた彼のAマッチ無得点記録に終止符が打たれた。

前半8分、右サイドでキム・ムンファンからのパスを受けたイ・ドンギョンは、ペナルティエリア右側で絶妙なファーストタッチで中国ディフェンダーを振り切ると、得意の左足で美しいカーブをかけたシュートを放った。ボールは中国ゴールキーパーの手の届かない左上角に吸い込まれ、韓国に貴重な先制点をもたらした。

この得点は2021年6月9日のスリランカ戦以来、実に4年ぶりとなるAマッチでの得点だった。イ・ドンギョンは試合後のインタビューで「4年ぶりのゴールなので、何度も見返すことになりそうです」と喜びを隠せない様子で語った。長い沈黙を破った瞬間の感動は、韓国サッカーファンの心を大きく揺さぶった。

ホン・ミョンボ監督の戦術的マスターピース

今回の東アジアカップでホン・ミョンボ監督が採用した3-5-2フォーメーションは、イ・ドンギョンの特性を最大限に活かす戦術的な傑作だった。従来の4バック システムから大胆に変更したこの布陣により、イ・ドンギョンは右ウイングの位置でより自由にプレーできる環境を得た。

ホン・ミョンボ監督は試合後の記者会見で「イ・ドンギョンが得意の左足で早い時間に得点を決めてくれたおかげで、試合を楽に進めることができた」と称賛した。この戦術変更により、イ・ドンギョンはライン間でのポジショニングを活かし、中国守備陣に常に脅威を与え続けた。

中国のデヤン・ジュルジェビッチ監督も試合後、「韓国は今夜勝利に値するチームだった。早い時間の失点が我々を苦しい状況に追い込んだ」と認めるほど、イ・ドンギョンの先制点が試合の流れを決定づけた。両チーム監督が口を揃えて言及するほど、彼の存在感は圧倒的だった。

Kリーグでの着実な成長が実を結んだ瞬間

イ・ドンギョンの代表チームでの復活は、決して偶然ではなかった。2025年シーズン序盤、彼はキムチョン・サンムで3ゴール1アシストという優秀な成績を残し、EA Sports Kリーグ2-3月の月間最優秀選手候補にノミネートされるなど、クラブレベルでの活躍が光っていた。

特に注目すべきは、イ・ドンギョンがゴールを決めた試合でキムチョン・サンムが全勝を記録していたことだ。この事実は、彼が単なる個人技に優れた選手ではなく、チームの勝利に直結する決定力を持つ選手であることを証明している。技術分析誌「Monthly TSG」の2025年4月号では、彼の攻撃的貢献度と知的なポジショニングが詳細に分析され、「ベストプレーヤー」として特集された。

イ・ドンギョンの多様性も見逃せない要素だ。複数の攻撃ポジションでプレーできる彼の能力は、ホン・ミョンボ監督の戦術システムにとって非常に貴重な武器となっている。Kリーグでの継続的な成長が、ついに代表チームレベルでの成功につながった瞬間だった。

韓国サッカーファンの熱狂的な反応

イ・ドンギョンのゴールに対する韓国サッカーファンの反応は、まさに爆発的だった。ネイバースポーツのコメント欄は圧倒的に肯定的な反応で埋め尽くされ、「ついに！イ・ドンギョンはこの瞬間に値する選手だ」という数百のいいねを獲得したコメントが代表的だった。

「彼の技術は常にワールドクラスだった。今、それを代表チームで最も重要な時に見せてくれている」という声が韓国の各サッカーフォーラムで共通して聞かれた。DC Insideのサッカーコミュニティでは、多くのユーザーがイ・ドンギョンの試合ハイライト動画を制作し、彼の全体的なパフォーマンスと90分間の献身的な姿勢を称賛した。

ファンの反応は単なるゴールを超えて、「だからこそKリーグの選手たちにもっと多くの機会を与えるべきだ」という声が支配的だった。国内リーグ所属選手が国際舞台で輝く姿を見たファンたちは、イ・ドンギョンの活躍によって自分たちの信念が正しかったことを確信した。この反応は、韓国サッカーの国内人材に対する期待と誇りを如実に示している。

Son Heung-minとの比較を謙遜で一蹴

試合後のミックスゾーンでの取材で、記者たちはイ・ドンギョンの左足シュートをSon Heung-minの得点と比較する質問を投げかけた。しかし、イ・ドンギョンは特有の謙遜さで「Son Heung-min兄さんとは比較にもならない。私はまだ1ゴールを決めただけで、兄さんは本当に多くのゴールを決めている。もっと多くの練習が必要だと思う」と答えた。

この謙遜的な態度は、韓国サッカーファンの心をさらに温かくした。イ・ドンギョンは続けて「代表チームはすべての選手の夢だ。監督がこのような機会を与えてくださった以上、最善を尽くそうという気持ちで試合に臨んだ」と語り、プロフェッショナルな姿勢を見せた。

「本当に優秀な選手たちが多いので、学ぶべきことは学び、自分ができることはしっかりと見せながら最後まで競争しなければならない」という彼の言葉は、韓国代表チーム内での激しい競争を認識しながらも、決して諦めない意志を表現している。この姿勢こそが、多くのファンが彼を応援する理由の一つだ。

2026ワールドカップへの新たな希望

2026年FIFAワールドカップまで1年余りという重要な時期に、イ・ドンギョンの復活は韓国サッカーにとって非常に意味深い。東アジアカップは国内組選手たちが自分の能力を証明できる理想的なプラットフォームであり、イ・ドンギョンはこの機会を両手でしっかりと掴んだ。

彼のゴールは単に韓国の勝利に貢献しただけでなく、国内リーグ所属選手も国際サッカーの最高レベルで競争できることを証明した。28歳という年齢は、サッカー選手としてまさに全盛期に入る時期であり、韓国のワールドカップ準備において重要な役割を果たす可能性が高い。

イ・ドンギョンは将来の抱負について聞かれた際、「常に努力し続けなければならない」と答え、継続的な向上への意志を示した。この謙虚な態度と高圧的な状況での実証された能力は、彼を韓国のワールドカップ代表チーム候補の強力な選択肢にしている。中国戦でのゴールは個人的な輝きの瞬間を超えて、国内組選手たちがまだ国際サッカーの最高レベルで競争できるという力強いメッセージだった。