ソ・ジョンウォン監督が大爆発!「クビにするなら早く言え」―2部から1部昇格、ACL出場まで実現した恩知らずな中国クラブとの対立

中国サッカー界を震撼させた爆発的記者会見
2025年1月17日、中国サッカー界に衝撃的な出来事が起こりました。韓国人監督ソ・ジョンウォンが、天津津門虎との中国スーパーリーグアウェイ戦前の記者会見で、所属クラブの成都蓉城に対して痛烈な批判を展開したのです。通常なら試合の戦術や選手のコンディションについて語られるはずの記者会見が、まさかの内部告発の場となりました。
ソ監督は「今日ここに来て試合準備をするべきだったのに、このような話をして皆さんに申し訳ない」と前置きした上で、「私は非常に遺憾に思っている。今、我々には確実に問題がある。6ヶ月間クラブのために我慢してきた。監督として、もう我慢できず、傍観することもできない」と述べました。この発言は、韓国サッカー界でも大きな話題となり、多くのサッカーファンが注目する事態となっています。
中国メディアの報道によると、ソ監督は「冬からクラブは我々コーチ陣を信頼しておらず、後に医務チームと通訳を解雇し、冬季練習時にすべてのコーチ陣の契約は3月になってようやく締結された」と具体的な問題点を指摘。さらに「今、私ができる決定はほとんどない。シーズン後半期の補強が必要なのに、クラブは私と一切コミュニケーションを取らなかった。選手のレンタル移籍を含め、私は何も知らない」と監督としての権限が著しく制限されている現状を明かしました。
2部リーグから1部リーグへの奇跡的な変貌

ソ・ジョンウォン監督の怒りを理解するためには、まず彼が成都蓉城で成し遂げた驚異的な功績を知る必要があります。2021年に成都の監督に就任した当時、チームは中国リーグワン(2部)に所属する平凡なクラブでした。限られた予算と資源の中で、ソ監督は韓国サッカーの戦術理論と選手育成ノウハウを活用し、チームを根本的に変革しました。
2021シーズン、ソ監督は組織的な守備と効率的な攻撃を組み合わせた戦術でチームを指導し、プレーオフを経て中国スーパーリーグ(1部)への昇格を実現しました。この成功は韓国サッカー界でも高く評価され、多くの韓国メディアが「韓国人監督の海外での成功例」として報道しました。
スーパーリーグ初年度となる2022シーズンでは、多くの専門家が降格圏での苦戦を予想していましたが、ソ監督率いる成都は5位という素晴らしい成績を収めました。新昇格チームとしては異例の好成績で、中国サッカー界でも大きな話題となりました。この成功により、2023年3月にクラブとの再契約を結び、さらなる飛躍への基盤を築いたのです。
歴史的快挙:AFCチャンピオンズリーグ出場権獲得
ソ監督の真価が発揮されたのは、2023年以降でした。2023シーズンにはリーグ4位、そして2024シーズンには3位という素晴らしい成績を収め、ついにクラブ史上初のAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)出場権を獲得したのです。これは単なる順位向上以上の意味を持つ歴史的快挙でした。
AFCチャンピオンズリーグ出場は、アジアサッカー界で最高峰の舞台への参加を意味します。成都蓉城のような地方クラブにとって、この出場権獲得は商業的価値の向上、スポンサー収入の増加、世界的な認知度向上など、計り知れないメリットをもたらします。韓国サッカーファンにとっても、韓国人監督がアジア最高峰の舞台へチームを導いたことは大きな誇りとなりました。
2025-2026シーズンのAFCチャンピオンズリーグエリートプレーオフでは、成都はバンコク・ユナイテッド(タイ)と8月12日にプレーオフを控えています。しかし、この歴史的快挙を成し遂げた監督に対するクラブの態度は、むしろ冷淡なものでした。契約に明記されていたチャンピオンズリーグ出場時の自動契約延長条項の履行を求めるソ監督に対し、クラブ側は給与削減を目的とした再交渉を持ちかけるという、まさに「恩を仇で返す」ような対応を見せたのです。
契約違反と財政危機の狭間で
ソ監督と成都蓉城の対立の根本には、深刻な財政問題があります。中国メディアの報道によると、2025年のソ監督とコーチ陣の総給与は4000万元(約77億円)に達しており、これはクラブの年間投資の10%以上を占める「血を吸う負担」と内部関係者から呼ばれています。
さらに問題を複雑にしているのは、成都に投資していた「成都興城投資グループ」が最近撤退を決定したことです。同グループは3年連続で年平均2億5000万元(約484億円)の赤字を出し続け、2024年10月に撤退を決定したと報じられています。「成都はスーパーリーグで最もホットなチームだが、商業的転換能力が弱く、膨大な投資が最終的に報われることがない」という厳しい現実が浮き彫りになりました。
この財政危機の中で、クラブ側はソ監督との再契約拒否はもちろん、朱辰杰やロムロなどの主力選手との交渉も保留する事態となっています。契約書に自動延長条項を入れておきながら、いざその条項が発動される状況になると、財政難を理由に一方的な再交渉を迫るという、プロフェッショナルなスポーツ界では許されない行為と言えるでしょう。
選手からの支持と家族の告発
ソ監督への不当な扱いは、チーム内外で大きな波紋を呼んでいます。記者会見に同席したKリーグ出身のストライカー、ロムロは監督への支持を明確に表明しました。「チームは比較的困難な状況に置かれている。我々は皆、毎日真剣かつ熱心に訓練に取り組んでいる。選手団、コーチ陣すべてが非常にプロフェッショナルに誠実かつ責任感を持って取り組んでいると思うが、クラブは我々を十分に尊重していない」との発言は、チーム全体がクラブ経営陣に対して不満を抱いていることを示しています。
さらにロムロは「非常に残念なのは、5年間で我々が作り上げたものが認められていないことだ」と続け、「過去5年間で我々が積み上げてきたもの、これほど多くの努力をして作り上げたものが認められるべきだということをクラブが理解すべきだと思う」と監督擁護の姿勢を鮮明にしました。
また、1月16日にはソ監督の妻がInstagramでクラブを批判する投稿を行い、「クラブがソ監督を孤立させ排除している」と非難しました。妻の投稿では、ソ監督が中国語ができないことを理由に、意図的に選手や経営陣との疎通を遮断し、自主退職を圧迫しているとの具体的な告発も含まれており、問題の深刻さが浮き彫りになっています。
韓国サッカー界への影響と今後の展望
この事件は韓国サッカー界にも大きな影響を与えています。近年、韓国人監督の海外進出が活発化する中で、ソ・ジョンウォン監督の成功は多くの若手指導者にとって希望の光でした。2部リーグから1部リーグ昇格、さらにAFCチャンピオンズリーグ出場という快挙は、韓国サッカーの戦術理論と指導法の優秀性を世界に示す事例として高く評価されていました。
しかし、今回の契約紛争は、海外でのキャリアに潜むリスクも同時に浮き彫りにしています。韓国のサッカーコミュニティでは「優秀な成績を収めても、このような扱いを受ける可能性がある」という懸念の声が上がっており、今後の韓国人監督の海外進出に影響を与える可能性も指摘されています。
一方で、この事件は韓国サッカー界の結束を深める効果もあります。多くの韓国メディアと元サッカー選手がソ監督を支持する論調を展開しており、「韓国サッカー人の尊厳を守る」という観点から注目が集まっています。今後の展開次第では、この事件が韓国人指導者の国際的地位向上のきっかけになる可能性もあり、韓国サッカー界全体が固唾を飲んで見守っている状況です。成都蓉城がソ監督との契約問題をどのように解決するかは、中国サッカー界の国際的信頼性にも関わる重要な試金石となるでしょう。
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