マルティネス、4-13からの奇跡の大逆転!第4セット15-14で運命を変えたPBA史上最高の瞬間

Jul 13, 2025
Crown Haitai, David Martinez
マルティネス、4-13からの奇跡の大逆転!第4セット15-14で運命を変えたPBA史上最高の瞬間

韓国ビリヤード界を震撼させた歴史的な夜

2025年7月7日の夜、高陽キンテックスPBAスタジアムで開催されたハナカードPBA-LPBAチャンピオンシップの決勝戦は、韓国プロビリヤード史上最も劇的な試合の一つとして記録されることになりました。スペインの天才ダビド・マルティネス(クラウンハイタイ)が、韓国の英雄チョ・ジェホ(NH農協カード)を4-2のセットスコアで破り、PBA通算8勝目を達成したのです。

この勝利により、マルティネスは大会2連覇を果たすと同時に、ベルギーの伝説フレドリック・クードロン(8勝)と並んで、PBA史上最多勝記録の共同保持者となりました。また、PBA史上初めて総獲得賞金10億ウォンを突破した選手としても歴史に名を刻みました。一方、6度目の優勝を狙っていたチョ・ジェホは、惜しくも準優勝に終わり、ファンの期待に応えることができませんでした。

運命を分けた第4セット:4-13からの奇跡の大逆転

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この試合で最も印象的だったのは、間違いなく第4セットでした。セットスコア2-1でマルティネスがリードしていた状況で、チョ・ジェホにとっては絶対に取らなければならないセットでした。そして実際に、チョ・ジェホは13-4という圧倒的なリードを築き、あと2点で勝利という状況まで追い込んだのです。

しかし、ここからマルティネスの真骨頂が発揮されました。スペインの魔術師は冷静さを保ち、一点一点を確実に積み重ねていきます。観客席からは韓国ファンの応援が響く中、マルティネスは10回ものバンクショットを成功させ、徐々に点差を縮めていきました。13-13の同点に追いつくと、スタジアムの雰囲気は一変。最終的に15-14でセットを奪取したマルティネスは、この逆転劇で試合の流れを完全に自分のものにしました。

この第4セットの逆転は、単なる一セットの勝利以上の意味を持っていました。心理的に大きなダメージを受けたチョ・ジェホは、その後のセットで本来の力を発揮することができず、結果的に試合全体の勝敗を決定づけることになったのです。

マルティネスの技術的優位性:バンクショットの芸術

マルティネスの勝利の要因は、何といっても彼の卓越したバンクショット技術にありました。決勝戦全体で10回ものバンクショットを成功させたマルティネスは、まさにスリークッションビリヤードの芸術性を体現していました。特に第4セットでの逆転劇では、複雑な角度計算を要するバンクショットを連続で決め、観客を魅了しました。

ヨーロッパ系選手特有の精密性と、PBAフォーマットに適応した攻撃性を兼ね備えたマルティネスのプレースタイルは、現代ビリヤードの理想形とも言えるでしょう。彼の平均得点2.813という数字は、技術的な正確性と戦術的な判断力の高さを物語っています。

一方、チョ・ジェホも韓国を代表する攻撃型選手として知られていますが、今回の決勝では第4セットでの心理的な動揺が最後まで響いてしまいました。13-4からのリードを守り切れなかったことは、ベテラン選手にとって大きな痛手となったに違いありません。

チョ・ジェホの無念:6度目の挑戦も実らず

45歳のベテラン、チョ・ジェホにとって、この敗戦は特別な意味を持っていました。通算6度目の優勝を狙っていた彼は、2023-24シーズンのワールドチャンピオンシップ以来、タイトルから遠ざかっていました。今年1月の2024-25シーズン第8戦(ウェルカム貯蓄銀行チャンピオンシップ)でも決勝で敗れており、今回こそはという思いが強かったはずです。

準決勝でエディ・レッペンス(ベルギー)を破って決勝に進出したチョ・ジェホは、韓国ファンの期待を一身に背負っていました。しかし、運命の第4セットで13-4からのリードを守り切れなかったことが、結果的に試合全体の流れを変えてしまいました。

それでも、チョ・ジェホの攻撃的なプレースタイルと観客を魅了するパフォーマンスは、依然として多くのファンに愛され続けています。韓国ビリヤード界の生きる伝説として、今後も活躍が期待されています。

韓国ファンコミュニティの反応:複雑な心境

この試合に対する韓国ファンの反応は複雑でした。ネイバーやダウムなどの主要ポータルサイトのコメント欄では、「チョ・ジェホが13-4からなぜ負けたのか理解できない」「マルティネスの技術は認めるが、韓国選手の優勝を見たかった」といった声が多く見られました。

一方で、マルティネスの卓越した技術と精神力を称賛する声も少なくありませんでした。「あの状況からの逆転は本当に素晴らしかった」「世界最高レベルの試合を見せてもらった」といったコメントも多数投稿されています。

ディシインサイドやエフエムコリアなどのコミュニティでは、より詳細な技術分析が行われ、マルティネスのバンクショット技術や戦術的な判断について活発な議論が交わされました。韓国ビリヤードファンの知識レベルの高さと、スポーツに対する情熱的な姿勢が改めて確認される結果となりました。

PBA史上初の10億ウォン突破:マルティネスの偉業

マルティネスの今回の優勝は、単なる8勝目以上の意味を持っています。彼はPBA史上初めて総獲得賞金10億ウォンを突破した選手となり、1億160万ウォンに到達しました。これは、プロビリヤード選手として到達できる一つの大きなマイルストーンであり、後続選手たちにとっても大きな目標となるでしょう。

また、ウェルカムトップランキング賞も獲得し、追加で400万ウォンの賞金を手にしました。これは64強戦でイ・ヘドンを相手に記録した平均2.813という驚異的な数字によるものです。技術的な完成度の高さと、大舞台での集中力の維持能力が評価された結果と言えるでしょう。

フレドリック・クードロンが現役を退いた現在、マルティネスは間違いなく世界最高のスリークッション選手の一人として認められています。今後、単独での最多勝記録更新も十分に可能であり、PBA史上最も偉大な選手として記憶される可能性が高いでしょう。

今後の展望:PBAの国際化とマルティネスの影響

マルティネスの成功は、PBAの国際化にとって重要な意味を持っています。韓国で開催される大会でありながら、スペイン人選手が最も成功を収めているという事実は、PBAが真の意味でのグローバルリーグになったことを示しています。

彼の存在は、世界各国の若手選手たちにとって大きな刺激となっており、PBAへの参加を検討する海外選手が増加しています。これにより、競技レベルのさらなる向上と、ビリヤードスポーツの世界的な普及が期待されています。

一方で、韓国ファンとしては自国選手の活躍をより強く望んでいるのも事実です。チョ・ジェホをはじめとする韓国選手たちが、マルティネスに対抗できる実力を身につけることが、今後のPBAの発展にとって重要な要素となるでしょう。技術的な向上だけでなく、精神的な強さも含めた総合的な競技力の向上が求められています。

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