アルテタ監督が沈黙を破る:「アーセナルは100%適切な手続きを踏んだ」パーティ事件で初言及

衝撃の起訴発表がサッカー界を震撼させた
2025年7月4日、サッカー界に衝撃が走りました。元アーセナルの中盤の要、トーマス・パーティ(32歳)がロンドン警視庁によって強姦5件と性的暴行1件の容疑で正式に起訴されたのです。この発表は、まさにパーティの契約が6月30日に満了したわずか4日後のことでした。起訴内容は、2021年から2022年にかけて3人の女性に対する犯行とされており、1人目の女性に対する強姦2件、2人目の女性に対する強姦3件、そして3人目の女性に対する性的暴行1件となっています。
最初の事件が警察に通報されたのは2022年2月のことでした。しかし驚くべきことに、この3年以上もの間、アーセナルはパーティを主力選手として起用し続けていました。多くのファンがSNS上で疑念を表明し、対戦相手のサポーターからは「お前が何をしたか知っているぞ」というチャントを浴びせられる場面もありましたが、アーセナルは沈黙を貫き続けました。パーティの弁護士ジェニー・ウィルトシャーは「クライアントは全ての容疑を否認しており、3年間の捜査に全面的に協力してきた。ようやく潔白を証明する機会を歓迎する」と声明を発表しています。
アルテタ監督、シンガポールで初の公式コメント

アーセナルがプレシーズンのアジアツアーでシンガポールに到着した際、ミケル・アルテタ監督はついにパーティ事件について口を開きました。記者会見で質問を受けた監督は、明らかに準備された回答で応じました。「クラブは公式声明で非常に明確な立場を示している。これは法的に非常に複雑な問題であり、これ以上コメントできない」と述べたのです。
しかし、最も注目されたのは「適切な手続きを踏んだと確信しているか」という直球の質問に対する答えでした。アルテタ監督は躊躇することなく「100%、適切に手続きを踏んだと思う」と断言したのです。この発言は、ACミラン戦を控えた記者会見で飛び出したもので、本来ならサッカーの話題に集中すべき場面での重大な発言として大きな波紋を呼びました。監督の表情からは、この問題がクラブにとっていかに重荷となっているかが読み取れました。
3年間の沈黙と疑問視される判断
最も物議を醸しているのは、アーセナルが2022年2月の最初の通報を知りながら、なぜ3年間もパーティを起用し続けたのかという点です。報道によると、被害者の一人は警察への通報後、直接アーセナルにも事実を伝えていました。しかし、クラブは表面的に「検討する」との立場を繰り返すのみで、実際の行動は取りませんでした。さらに驚くべきことに、アーセナルはパーティとの契約延長交渉まで進めていたのです。
この決定は、特にアーセナルが女子サッカーにも力を入れているクラブとして知られていることを考えると、より一層問題視されています。『Telegraph』紙は「アーセナルはパーティの件で耳を塞ぎ、道徳的コンパスを見失った」という厳しい見出しで批判記事を掲載しました。ファンからは「3年間、性的暴行の重大な容疑をかけられた選手を見るだけでなく、積極的に支援されているのを見るという不可能な立場に置かれた」という痛烈な声も上がっています。
パーティのアーセナルでの軌跡と怪我の歴史
トーマス・パーティは2020年10月、アトレティコ・マドリードから4500万ポンド(約85億円)の移籍金でアーセナルに加入しました。ガーナ代表として53試合に出場し、13ゴールを記録する実力者として大きな期待を背負っての移籍でした。初年度は33試合に出場し3アシストを記録するなど、持ち前の豊富な運動量とフィジカルを活かした守備力で主力の座を掴みました。
しかし、彼のアーセナルでのキャリアは怪我との戦いでもありました。頑強な体格とは裏腹に「ガラスの体」と呼ばれるほど故障が多く、2021年には右足首の靭帯を負傷し約1ヶ月の離脱、2022年には右大腿部の筋肉を負傷してシーズン絶望となりました。2023-24シーズンも深刻で、マンチェスター・ユナイテッド戦前に鼠径部を負傷し約6週間の離脱、復帰後もすぐに筋肉を痛めて再離脱するなど、満足にプレーできない状況が続きました。それでも、トッテナムとのノースロンドンダービーでのミドルシュートなど、重要な場面での得点も記録していました。
ファンとメディアの激しい反応
パーティの起訴発表後、アーセナルファンの間では激しい議論が巻き起こりました。日本のアーセナルファンブログでも「ついにこの日が来てしまった」「クラブにとって相当なダメージ」といった声が上がっています。特に、契約が満了した直後のタイミングでの起訴発表について、「計算されたタイミング」として批判する声も少なくありません。
信頼できるアーセナル系ジャーナリストの一人であるクリス・ウィートリーは、この件で大きな批判を浴びました。彼がパーティのドイツ遠征帯同について不正確な情報をツイートし、後に訂正したことで「プロのジャーナリストの風上にも置けない」という厳しい声が上がりました。Reddit上のアーセナルファンコミュニティでは、彼への永久追放を求める声まで出る騒ぎとなりました。多くのファンが「3年間、このような状況下で選手を応援することの道徳的ジレンマに悩まされた」と証言しており、クラブへの失望感は深刻です。
法的手続きと今後の展望
パーティは8月5日にロンドンのウェストミンスター治安裁判所に出廷する予定です。検察当局が起訴に踏み切ったということは、「現実的な有罪の見通し」があると判断したことを意味します。パーティ側は全ての容疑について無罪を主張する方針を示しており、長期戦になることが予想されます。
アーセナルにとって、この事件の長期的な影響は計り知れません。プレミアリーグからクラブの対応について質問される可能性もあり、既にクラブの評判は大きく傷ついています。「選手の契約は6月30日に終了した。進行中の法的手続きのため、クラブはこの件についてコメントできない」という公式声明は、多くの人に「逃げ腰」という印象を与えました。今後、類似のケースが発生した際の対応指針としても、このケースは重要な先例となるでしょう。アルテタ監督の「100%適切だった」という発言も、果たして本当にそうだったのか、時間が経つにつれてより厳しく検証されることになりそうです。
Discover More

衝撃の復帰!イ・ジェヨン、4年ぶりに日本のコートへ - 学校暴力スキャンダルを乗り越えて
学校暴力論争で韓国バレーボール界を離れた元韓国代表イ・ジェヨンが、4年ぶりに日本のビクトリーナ姫路で現役復帰。過去を深く反省し、新たな挑戦を始める。

エージェントの思惑?「イサクに関するすべての選択肢を慎重に検討中」- ヨーロッパを揺るがすスウェーデン人ストライカーの行方
アレクサンダー・イサクの将来が揺れ動く中、彼のエージェントが移籍の可能性に言及。リヴァプール、アル・ヒラル、ニューカッスルが70年ぶりにEFLカップを制したスウェーデン人ゴールゲッターを巡って激しい争奪戦を繰り広げている。