イ・ガンイン、アーセナル移籍へ?PSG残留が不透明に

イ・ガンインのPSGでの苦境
パリ・サンジェルマンのイ・ガンイン(24)が深刻な状況に直面している。2023年夏にマジョルカから2200万ユーロで移籍した韓国代表MFは、ルイス・エンリケ監督の下で期待されたパフォーマンスを発揮できずにいる。今シーズンは公式戦45試合に出場し6ゴール6アシストを記録したものの、リーグ戦での先発出場はわずか25回に留まった。
特に問題となっているのは、イ・ガンインの多様性が逆に足かせとなっていることだ。右ウイング、攻撃的ミッドフィルダー、さらには守備的ミッドフィルダーまでこなせる器用さを持つ一方で、特定のポジションでの絶対的な地位を確立できずにいる。ウォーレン・ザイール=エメリ、ビチーニャ、ジョアン・ネベスといった中盤の激戦区で定位置を掴むことができず、ベンチ要員としての役割に甘んじることが多くなった。
アーセナルの本格的な関心

そんな中、イングランド・プレミアリーグの名門アーセナルがイ・ガンインの獲得に本格的な関心を示している。英国メディア『The Athletic』によると、アーセナルは今年1月からイ・ガンインをレンタル移籍のターゲットとして検討しており、ブカヨ・サカの長期離脱やイーサン・ヌワネリの負傷により、攻撃陣の補強が急務となっている状況だ。
ミケル・アルテタ監督は技術的で多才な選手を好む傾向があり、イ・ガンインの特徴がアーセナルの戦術システムに適合すると判断している。アーセナルの技術陣もイ・ガンインの能力を高く評価しており、彼の加入により攻撃のバリエーションが増すことを期待している。ただし、PSGが要求する移籍金とイ・ガンインの高額年俸(現在700万ユーロ)が交渉の障壁となっている。
PSGの売却方針と移籍金設定
PSG側も状況の変化を受け入れ始めている。フランスメディア『レキップ』の報道によると、PSGはイ・ガンインとゴンサロ・ラモスの2選手について、適正な移籍金を提示するクラブがあれば売却を検討する方針を固めた。PSGの幹部は「どの選手も安値では売らない。我々の選手を望むなら、我々が提示する価格に合わせなければならない」と強調している。
具体的な移籍金については、PSGは4000万ユーロ(約627億ウォン)を設定しているとされる。これは2023年の獲得時の約2倍に相当する金額で、PSGとしては十分な利益を確保したい考えだ。しかし、この金額はアーセナルにとって高額であり、買い取りオプション付きのレンタル移籍での交渉が現実的な選択肢として浮上している。
ナポリ移籍の破談とプレミアリーグへの転向
当初、イ・ガンインの移籍先として有力視されていたナポリとの交渉が事実上決裂した。移籍専門記者マッテオ・モレット氏の報告によると、PSGの高額な移籍金要求とイ・ガンインの年俸がナポリの予算を超えており、交渉は行き詰まった状態だ。ナポリはケビン・デ・ブライネの獲得に成功した後、イ・ガンインの追加獲得を通じて戦力強化を図ろうとしたが、財政的な制約により断念せざるを得なかった。
この状況を受け、イ・ガンインの代理人はプレミアリーグの複数クラブと交渉を開始している。ベトナムメディア『Vietnam.vn』の報道によると、イ・ガンインはナポリからのオファーを拒否し、プレミアリーグのクラブへの移籍を強く希望していることが明らかになった。選手自身もイングランドでの新たな挑戦に前向きな姿勢を示しており、アーセナル以外にもマンチェスター・ユナイテッドやアストン・ヴィラが候補として挙がっている。
出場時間不足への不満と移籍意思
イ・ガンインの移籍願望の背景には、PSGでの出場時間不足への深刻な不満がある。韓国メディア『SPOTV NEWS』の報道によると、フランスメディア『レキップ』のロイック・タンジ記者は「イ・ガンインはビッグマッチでより多くの出場時間を求めているが、チームが好調であるために口を閉ざしている」と伝えた。また、「PSGとイ・ガンインはシーズン終了後に彼の将来について話し合う予定で、PSGは一定の条件が満たされればイ・ガンインの移籍を認める用意がある」とも報じられている。
特に今シーズン後半戦では、デジレ・ドゥエと1月に加入したクヴィチャ・クヴァラツヘリアの台頭により、イ・ガンインの出場機会はさらに限られた。チャンピオンズリーグのノックアウトステージでPSGが爆発的な攻撃力を見せた際も、イ・ガンインは重要な試合でベンチに座ることが多く、韓国代表のエースとしてのプライドが傷つけられる状況が続いた。
アーセナルでの戦術的適合性
アーセナルへの移籍が実現した場合、イ・ガンインはアルテタ監督の戦術システムに完璧に適合すると期待される。アーセナルの特徴である高いポゼッション率と技術的なパスワークは、イ・ガンインの長所である正確なパスとボールキープ能力を最大限に活かすことができる。また、右ウイングでのサカのバックアップや、中央でのマルティン・エーデゴーアのサポート役として、チームに戦術的な幅をもたらすことが可能だ。
さらに、イ・ガンインの守備への貢献度も評価されている。PSGでは守備的ミッドフィルダーとしても起用された経験があり、アルテタ監督が重視する攻守両面での貢献を期待できる。プレミアリーグの激しいフィジカルコンタクトに対する適応が課題となるが、スペインリーグでの経験とフランスリーグでの実績を考慮すると、十分に対応可能と判断される。
移籍実現への課題と今後の展望
イ・ガンインのアーセナル移籍実現には、いくつかの課題が残されている。最大の障壁は移籍金で、PSGが要求する4000万ユーロに対し、アーセナルは2500万ユーロ程度を上限と考えている。この差額を埋めるため、買い取りオプション付きのレンタル移籍や分割払いでの合意が模索されている。また、イ・ガンインの年俸700万ユーロもアーセナルの給与体系を考慮すると高額であり、選手側の譲歩も必要となる。
しかし、イ・ガンイン本人の移籍への強い意志と、PSGの売却方針の転換により、交渉は前進する可能性が高い。2028年6月まで契約が残るイ・ガンインだが、出場時間の保証を求める選手の要求とPSGの戦力整理方針が一致しており、今夏の移籍実現は十分に現実的だ。アーセナルにとっても、技術的で多才な選手の獲得は長期的な戦力強化につながるため、積極的な交渉が期待される。韓国サッカー界にとっても、イ・ガンインのプレミアリーグ挑戦は新たな可能性を示すものとなるだろう。
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